『令和の時代は家にお金を掛けすぎない』

 例えば、65歳以上を老後とした場合、

その間の夫婦2人の最低生活費は、

月額平均22万円と言われており、

これに住宅ローンが残っている場合はその費用が上乗せになり、

または、家賃を払っている場合はその費用が上乗せになります。

 

 

 

 今後、夫婦で旅行や趣味を楽しんだり、

子供世帯のマイホーム取得への援助や孫たちの学費を援助するなどの、

「ゆとりある老後」を送ろうと思えば、

さらに月額平均で10万円以上もの出費が必要になってくるのですが、

そうなれば、支給される年金とは別に、

2000万円以上もの蓄えが必要であると言われています。

 

 

 

 これが、やがて私たちが迎える老後の現実なので、

そのための備えを今からしておく必要があり、

そのためには、家づくりに対する考え方も見直す必要があります。

 

なぜなら、少子高齢化が急速に進んでいる日本は、

これからもっと厳しい時代になっていくからです。

 

 

 

年金支給が減っていくという現実

 

 少子高齢化が進めば、

年金の原資となる社会保険の納付金額が減っていきます。

そして、そうなると年金の支給金額を減らさざるを得ません。

 

 実際、今から5年後の2025年でさえも、

年金支給が20%カットされるかもしれないと言われていますが、

この先は、もっともっと年金支給が減っていくことを

覚悟しておかないといけません。

 

 

 

可処分所得も低下していくという現実

 

 少子高齢化が進んでいけば、

私たちの社会保険料や税負担は、

必然的にどんどん上がっていくことになります。

結果、給料から天引きされる金額が増えることになり、

手取り収入が減ってしまうということなります。

 

結果、たとえ給料が上がったとしても、

なぜか手取りは下がっているという現実に直面します。

それは食費や子供たちの教育費、電気代などは、

どんどん上がっていっているにもかかわらずです。

 

 

  

これからの家づくりで心がけることとは?

 

 このように嫌な節約をすることなく自然な形で、

お財布から出て行くお金を抑えるようにしなければならないのですが、

その代表的な出費が住宅ローン返済ではないでしょうか?

 

 例えば、旦那さんの収入だけでは満額借りられないからと、

奥さんの収入までも合算することによって、

毎月9〜10万にもなる返済金額で住宅ローンを借り、

家を建てようとされている方が数多くいらっしゃいます。

 

 しかし、このような家の買い方は非常に危険な行為です。

建てた後、余裕が全く出来ないことが容易に予想出来るからです。

 

 家づくりの総予算は、基本的に旦那さんの給料だけで

借りられる費用に抑えることが理想的です。

そして、その予算の中で買える土地を選び、

その予算の中で建てられる家を建てるようにされた方が

良いと考えられます。

 そして、削ることが出来た費用は、

全て老後資金の積み立てとして回すのが理想的です。

 

 例えば、会社員であれば毎月23,000円まで、

iDeCoという個人型確定拠出年金に加入することが出来るのですが、

これは、積み立てた費用は給料から控除してくれるため、

節税効果があります。

また、投資から出た運用益にも税金が掛からないようになっていますし、

一括受取にすれば退職金扱いとなるため、受取時も税金がかからないため、

効率よくお金を増やすことが出来ます。

 (※投資信託に預けるため減ることもあるかもしれません)

 

銀行に預けていても、今の銀行の利率では、

ATMで時間外にお金を下ろした時の手数料の方が、

預けることによって増える利息よりも高く、

むしろ減ってしまうだけというのが現実です。

 

そうならないためにも、貯めると同時にお金が増える可能性がある、

このような制度を有効に利用することが、

今後非常に大切になってくるというわけなんです。

 

 仮に、家づくりの予算を抑えることができて、

30年間iDeCoに夫婦合わせて毎月4万円掛けることが出来たとしたら、

単純に1440万円も老後資金が違ってもらえることになり、

これに住宅ローン利息まで加えるとしたら、

さらにもっと老後資金が増えることになります。

  

 

 

 

 このようにして、今の状況だけに目を向け過ぎることで、

無駄に家にお金を掛け過ぎてしまうことにならないように、

しっかりと老後のことまで考えた資金計画を行うようにしていただき、

その予算の中で出来る家づくりをしていただければと思います。

 

 家づくりの今までの当たり前は、

これからは当たり前ではなくなっていきます。

令和の時代ですから、その変化にしっかり対応していただければ幸いです