前回、今後は”可処分所得”がどんどん減っていくため、
これからの社会の流れをよくご理解いただいた上で、
家づくりの予算計画を立て、
その予算の中で家づくりを行うようにすることが
とても大切であるというお話をさせていただきました。
そして、その流れをより理解していただくためにも、
あまり興味が出ない話かもしれませんが、
今回は、年金について、
もう少し詳しくお伝えさせていただこうと思います。
では、1つご質問をさせていただきます。
『６５歳を老後とした場合、
ご夫婦２人でかかってくるであろう
最低生活費は一体どれくらいなのか？』ご存知でしょうか？
この数字を多いと感じるか少ないと感じるかは
人それぞれだと思いますが、
国が発表した数字によると、
毎月“約２２．５万円”も必要であると言われています。
しかし、この数字には、
“住居費”が含まれていませんので
実際は、この金額に住居費が上乗せされることになります。
つまり、賃貸住宅を借りていたら、
家賃が最低生活費にプラスして必要になるということです。
また、６５歳を過ぎても住宅ローンが残っているとすると、
住宅ローンが最低生活費にプラスして必要になるということです。
そうなると持ち家を持っていたら、
維持費となる固定資産税が別途で必要になるということです。
さらに、旅行や趣味を満喫する費用や、
自分の子供や可愛い孫への資金援助といった、
“ゆとり資金”まで含めると、
さらに毎月約１３万円ものお金が必要になってくると言われています。
これらを要約すると、
住宅ローンを６５歳までに完済していると仮定したとしても、
ゆとりある老後を送るためには、
毎月約３５万円ものお金が必要になってくるというわけです。
もちろん、この費用を年金だけでまかなうことが出来れば、
これに越したことはないのですが、
年金だけでは、全く追いつかないというのが現実なのです。
平均的なご家庭に支給されている年金が、
２人合わせて約２２万円だと言われています。
しかも、少子高齢化のせいで、
年金の支給金額は今後どんどん減っていき、
年金の支給年齢は今後どんどん上がっていくでしょう。
そうなれば、退職金でその不足分をまかないつつ、
若いうちから計画的に貯蓄していくことで、
預貯金をしっかり作っておく必要があるのかもしれません。
しかし、そうとはいえ、現在の社会では、
退職金に以前のような期待が出来ないのが、
現実ではないでしょうか？
また、貯金と言えば、
銀行が真っ先に頭に浮かぶかもしれませんが、
現実は、日本の銀行にお金を預けていても、
全くお金は増えないのが現実です。
年間で１万円の利息をもらおうと思えば、
１２億円もの途方もないお金を、
銀行に預けておかないといけないわけです。
一般的な貯金額では、
時間外手数料の方が利息より高くついてしまうぐらいです。
そうならないためにも、貯金出来る資金をしっかりとつくることで、
そのまま、銀行にお金を預けるのではなく、
“iDeCo（個人型確定拠出年金）”や“つみたてNISA”といった
節税効果もありながら、
運用を行うことが出来る投資信託などに、
毎月コツコツとお金を積み立てていくことで、
自分たちの老後資金をつくっていくことが必要不可欠です。
◆将来の老後資金の積み立て資金は家づくりと同時に考える！
そして、その積立て資金をつくることが出来るかどうかは、
家づくりをする時に、
ある３つのコストをカットするように
計画することが出来たかどうかに、大きく左右されることになります。
次回からは、この３つのコストについて
詳しくお伝えしていこうと思いますので、
ぜひご覧いただければ幸いです。
