『 間取で後悔しないためには? 』

 

 前回の記事をご覧いただけたでしょうか。

新建ハウジングという住宅業界専門誌が独自で行った調査によると、

家を建てた方の多くの方が、収納や間取りのつくり方に後悔をして

暑い家、寒い家、暗い家、風通しが悪い家という現実に直面し、

後悔しているということでした。

 

 これはつまり、住みやすさを求めて家を建てたにもかかわらず、

実際暮らし出してみると、“住み心地はあまり良くなかったかも?”

というのが実態であるということです。

 

では、なぜこのようなことになってしまうのでしょうか?

 

🏠暑くて、寒くて、暗くて、風通しが悪い家になってしまう理由🏠

 

その1:断熱性能と気密性能の施工品質バランスが悪いから

 

 そもそも断熱性能が悪ければ間違いなく家の中は寒くなってしまいます。

しかし、現在建てられている家は、少し前と比べてもずいぶんと

断熱性能が良くなっていると思われがちですが、気密性能との施工品質バランスが

良くないために暑い家、寒い家が存在するのです。

 

 

その2:2階建てありきで家を考えてしまうから

 

 住宅の基本は平屋から始まります。

つまり、可能である限り1階を大きくすることが基本であるということです。

 

 しかし、多くの方が、最初から2階建てありきで家の設計をしてもらおうと考えています。

 そして、個室を全て2階につくることを前提として間取りを考えてもらおうとします。

 その結果、家に中に温度差が生まれやすくなります。

1階は暖かいのに2階は寒くなる冬の時期や1階は涼しいのに2階は暑い夏の時期という間取りです。

 

 

その3:廊下をたくさんつくってしまうから

 

 また、個室を2階につくれば、必然的に廊下が増えます。

そして、廊下が出来れば、廊下に空気が漏れないように、

ドアを閉め切るようになるので、必然的に部屋と廊下の間に温度差が生まれてしまうわけです。

 

 

その4:水回りは北だと決めつけているから

 

多くの方が部屋は南側で水回りは北側だと決めつけてしまいます。

でも、北側に水回りを配置してしまうと、日が当たらず、また冷暖房も及びにくくなることから、

夏暑く冬寒い空間の脱衣室・お風呂・トイレになってしまいやすくなります。

 

 

その5:家を大きくしたがるから

 

そして、家を大きくしたがることも、寒い家になる大きな原因です。

単純に、面積が大きくなれば、それに伴って体積も大きくなるからです。

 それゆえ、温度差の少ない快適な家にするためには、

出来る限り家をコンパクトにする必要があります。

  

 

その6:窓を無駄にたくさんつくってしまうから

 

暗くて風通しが悪い家をつくってしまう最大の理由は、

窓の役割が最大限にできていないことにあります。

 

窓本来の役割は、光と風を家の中に上手く採り込むことです。

しかし、この役割を果たすためには、カーテンがいらない窓にすることが大前提になります。

ほとんどのお家がカーテンありきのお家になってしまっています。

外から家の中が丸見えになってしまうからです。

 

カーテンを閉めてしまうと、光の量は減ってしまいます。

そして、朝から照明なしでは過ごせなくなってしまいます。

また、カーテンを閉めてしまうと、窓が開けられなくなります。

そして、風を窓から採り込むことが出来なくなってしまいます。

  

いかがですか?

 

これが、寒くて暗くて風通しが悪い家をつくってしまう理由ではないでしょうか?

本当に住み心地が良い家をつくるためには、敷地条件に合わせた間取りづくりをすることが

必要不可欠です。

 

また、敷地に合わせてつくった住み心地に優れた住まいを、

出来るだけ予算を抑えながら性能の良い家を建てることも非常に大切なことです。

 

このように家づくりに対する正しい知識を身に付けて、

建てた後に後悔しないように家づくりをしていただければ幸いです。