今年も残すところ3ヶ月です。
新築を考えているお客様に例えばどんな家にしたいですか?とお聞きすると、
“冬寒くない家が欲しいです”ということを多くの方がお答えします。
それは私たちもお勧めします。
そのためには、断熱性の性能を高めて家中の外部面の隙間を極力小さくする
(気密性をよくする)ことです。
より少ない光熱費で温度差が少ない快適な住まいをつくるためには、
間取りづくりもある工夫をすることをオススメしています。
その工夫とは、住宅のプランをを平屋ベースに考えるということです。
しかし、ただ平屋にしただけで、家全体が暖まりやすいかというとそうではなく、
温度差が少ない家にするためには、家の面積を出来るだけ小さくする必要があります。
面積が小さくなれば、必然的に家の体積も小さくなり、冷暖房効率が高くなります。
そして、コンパクトな家を実現する上で、絶対に欠かせない要素が、
廊下を出来るだけ作らないようにするということです。
あるいは、可能なら廊下を全くなくすという考え方があっても良いと思います。
廊下を作れば、部屋と部屋の間に空気層が出来てしまうことになりますし、
部屋から空気が逃げてしまうことになるため、誰もが廊下に面するドアを
全て閉め切ってしまいます。
そして、そうなれば家の中に温度差が生まれやすくなります。
廊下を作らず、また余分な部屋を作らず、さらに余分な広さの部屋を作らず、
出来るだけ家をコンパクトにしつつ平屋で建てることが、より少ない光熱費で
温度差がない快適な住まいをつくるためには、最も有効な手段であるということだと思います。
しかし、コンパクトな平屋を建てることは、想像以上に難しいのもまた1つの
事実でもあります。
というのも、誰もが“家づくりはこうだ”という固定概念に、知らない間に
縛られてしまっているからです。
また、人の心の中には大なり小なり見栄が存在するからです。
例えば、“子供部屋=6帖”や“子供部屋=2階”という当たり前の考え方や、
リビングの他に客間の和室など必要という間取りや家の大きさを坪数で
判断してしまうケースもあります。
さらに、家の価格を坪単価で判断してしまう方もいますし、
そもそも平屋は贅沢な家だという当たり前の考え方があります。
こういった当たり前に加えて、友達の家より小さな家を建てることに対しての抵抗感もまた、
あって当たり前なのかもしれません。
小さい家しか建てられなかったとみんなから思われるんじゃないか?とか、
なんとなく負けているような気分になってしまう?とか。
そして、家づくりで直面するなにより大きな壁が、平面図で間取りを見たら
部屋も収納も狭く感じてしまうため、不安な気持ちから家をどんどん広げてしまう
ということです。
このような壁があなたの前に立ちはだかっているため、たとえ頭で理屈は分かっていたとしても、
なかなか家をコンパクトに出来なかったりするのではないでしょうか?
とはいえ、金銭的な面から考えても、これからは家づくりにお金を掛け過ぎることは
賢明なことでありません。
見栄や固定概念に縛られることなく、最大限に豊かな住まいと暮らしを
バランス良くコストを考えながら実現する工夫をしていただければと思います。
そして、そのために出来るだけ家をコンパクトに出来ないか?
ということを考えてみていただければ幸いです。