例えば、寝室や子供部屋などのプライベートルームを
2階に配置している一般的な2階建て住宅プランの場合は
それらの部屋をあたりまえにゆったりと確保するコトができます。
また、寝室や子供部屋をゆったり確保できたとしても
それでもまだ2階には十分にスペースが余ることから、
収納までもゆったり確保することができるプランが出来ます。
しかしその反面、2階建て住宅の場合、1階に充分な収納スペースを
確保出来ないことが多く、片付けしずらく散らかしやすいプランの家に
なってしまったり、生活動線が悪く住みづらい家になってしまう傾向があります。
それはなぜかというと見事なまでに子供たちが、
自分たちの荷物を2階の部屋まで持って行ってくれないため、
それらがリビングやダイニングに散乱することになるからです。
そこで、一般的には1階に和室を確保したり、あるいは1階に余分に
収納を確保することで、その問題を解決するという手段が考えられていました。
しかし坪数が増えてしまうと建築コストも増えてしまいその結果、
予算オーバーを招くことになり、耐震性能や断熱性能をおろそかにすることで、
後々そのしわ寄せが日々の生活のストレスや不安にのしかかってくることになります。
また、家の面積が広がれば、光熱費の冷暖房効率も悪くなるため、
一生払い続けなければいけない電気料金までも高くなってしまいます。
つまり、住宅ローンと光熱費の負担の二重苦に苦しむことに
なってしまいます。
そうならないために、これからの生活を少しでも楽にするためにも、
建築コストをアップさせることなく、また光熱費の負担もアップさせることなく、
最小限の予算で、より使いやすく安心に暮らせる家づくりを考えることが
非常に大切な要素となってきます。
そして、そのためには2階建てありきで家づくりを考えるのではなく、
出来るだけ1階だけで完結させられるように間取りを考えていきましょう。
1階に部屋や収納が多くあった方が、住みはじめからそして将来的にも、
間違いなく安心して使いやすく住みやすい暮らしができるのです。
しかし、1階が大きくなればなるほど、建築コストは割高に
なってしまいますので、建築コストの上昇を抑えていくための工夫が
必要になります。
◎建築コストを上げずに住みやすい家にする秘訣
◎その1:廊下は本当に必要なのか?
今もなお日本の家には、廊下があるプランが当たり前となっていますが、
この廊下にも、部屋や収納と同じように建築コストが掛かっている
という事実に気が付いている方は、意外にいらっしゃいません。
また、廊下をつくればドアの数も必然的に増えることになります。
そしてその廊下に接するドアは閉めておきたくなるものです。
そうなると廊下の面積に加えて、ドアの数だけさらに建築コストが
アップすることになりドアを閉め切ってしまうと家の中には温度差が
生まれやすくなってしまいます。
最近注目されている熱中症やヒートショックが起こる原因がコレです。
そうならないために廊下を最小限に抑えるか、
あるいは限りなくゼロに近いプランを考えていきます。
◎その2:子供部屋にその広さは必要なのか?
2階建て住宅の場合は、当たり前のように2階に子供部屋をつくり、
必ず6帖という広さを確保します。
しかし、現実的に考えると子供部屋を2階にしたプランのほとんどは、
長い年数使われることがありません。幼いころは両親と一緒に過ごすし、
やがて家を出て行くことになるからです。
弊社では、子供部屋は1階にするプランをオススメしています。
このプランですと部屋を無駄なく使う事ができて暮らせるからです。
とはいえ、6帖の広さのままのプランを1階につくってしまうと、
単純に建築コストは跳ね上がってしまうため、1階につくる場合は、
子供部屋の面積を少し小さめにするようにします。
もちろん、きちんとライフプランと資金計画をして予算が明確あれば、
自由に広くするのも良いと思います。
◎その3:寝室にその広さは必要なのか?
そして、子供部屋に限らず寝室も無駄に広くする必要は一切ありません。
例えば、寝室にはウォークインクローゼットとセットにする場合が多く、
衣類や布団などは全てこのクローゼットに片付ける事ができます。
最近は、昭和時代ようにタンスや鏡台といった置き家具も購入することがないからです。
寝室は、文字通りただ寝るだけの部屋です。
そうであれば、この部屋も寝るベッドさえ置くことが出来れば、
それだけで充分だと思います。
どうでしょうか?
この3つの要素を見つめ直すだけでも、実は、建築コストを
大幅にカットすることが出来るようになります。
そして、平屋の実現も充分可能になってきます。
今後は、図面に記載されている坪数や平面図で見る部屋の広さにこだわることなく、
現実的に暮らし出した将来の生活をイメージしながら、予算内で実現出来る
ご家族にとって長く安心して暮らせる住みやすい家とはどんな家なのか?
ということを、真剣に考えるようにしていただければ幸いです。